2024/02/25 美学校「基礎教養シリーズ〜ゼロから聴きたいテクノロジーと音楽史〜」

2024/02/25 美学校「基礎教養シリーズ〜ゼロから聴きたいテクノロジーと音楽史〜」 #

講義概要 #

【アーカイブ配信:2/27〜3/31】「基礎教養シリーズ〜ゼロから聴きたいテクノロジーと音楽史〜」講師:imdkm/ゲスト:松浦知也

音楽とテクノロジーの関わりを改めて考える #

「音楽制作のテクノロジーと音楽がいかに関わるか、そしてその関係をどのように語ることができるか?」をテーマに制作されたZINE「音楽とテクノロジーをいかに語るか?」の著者であるライターのimdkmさんをお招きして、音楽とテクノロジーの関わりを改めて考えます。また、ゲストにSoundMaker(音を作ったり音を出す道具と環境を作る人)、東京藝術大学芸術情報センター特任助教の松浦知也さんを迎え、更に議論を深めます。

  • 講 師:imdkm/ゲスト:松浦知也
  • 日 程:2024年2月25日(日)
  • 放送時間:4時間17分
  • 開 催:対面/オンライン
  • 参加費:対面・・・1,650円(アーカイブ付き、税込み) ※先着25名
    • オンライン・・・1,100円(アーカイブ付き、税込み)
    • 美学校在校生(オンライン)・・・550円(アーカイブ付き、税込み)
    • アーカイブのみ・・・1,650円(税込み) ※2/27日より販売開始
  • 主 催:美学校

想像しうる音を、すべてあなた(たち)に – 音楽の道具としてのパーソナル・コンピューター論概説(松浦知也) #

この講義では、コンピューターを表現の道具として扱う思想が消費社会とどう結びつき発展してきたか、特に音楽の焦点を当てつつ概観する。 DAW、ストリーミングサービス、イマーシブオーディオ、人工知能による音楽生成と、さまざまなレベルはあれど、私たちが今日音楽を体験するにあたって、制作から聴取までの過程にコンピューターが使われない事などほとんどない。では一方、私たちは今日コンピューターを「使いこなしている」かと言われると躊躇してしまう。コンピューターの万能さを、私たちは私たちの手の内に収められているだろうか? 自分で自分の道具の機能を更新できる「メタメディア」としてのパーソナルコンピューティングの歴史を振り返りながら、計算機を主体的に扱えるようになるための糸口を考察する。

スライド資料 #

ダウンロード

参考文献、Webサイト #

講義内で参照したもの #

クリティカル・ワード ポピュラー音楽 〈聴く〉を広げる・更新する (2023) 永冨真梨/忠聡太/日高良祐 編著, フィルムアート社, 978-4-8459-2131-7

Part.1 テクノロジーの歴史をいかに語るか? #

物語の哲学, 2005(1997初版), 野家啓一, 岩波書店, 9784006001391

The Shock of the Old: Technology and Global History Since 1900,2007, David Edgerton, Profile Books, ISBN  9780195322835

メディア考古学とは何か? デジタル時代のメディア文化研究, 2023, ユッシ・パリッカ著, 梅田拓也,大久保遼, 近藤和都, 光岡寿郎 訳, 東京大学出版会, 978-4757103542

120 Years Of Electronic Music. Kelly Careb

Any Sound You Can Imagine: Making Music/Consuming Technology, 1997, Paul Theberge著, Wesleyan University Press , 9780819563095

【あの有名企業の異分野進出】音響メーカーのオーディオテクニカが「寿司」で成功した理由(2015)、リクナビNEXTジャーナル

Part.2 エージェントでもあり、環境でもある - パーソナルコンピューターの二枚舌 #

Weiser, Mark, John Seely Brown. “The Coming Age of Calm Technology”. Beyond Calculation, by Peter J. DenningとRobert M. Metcalfe, 75–85. New York, NY: Springer New York, 1997

Kay, Alan, and Adele Goldberg. 1977. “Personal Dynamic Media.” Computer 10 (3): 31–41

アラン・ケイ (1992), アラン・C・ケイ著, 浜野 保樹監修, 鶴岡 雄二訳, アスキー出版局, 9784756101075

American computer pioneer Alan Kay’s concept, the Dynabook, was published in 1972. How come Steve Jobs and Apple iPad get the credit for tablet invention? - Quora

カーム・テクノロジー 生活に溶け込む情報技術のデザイン(2015), アンバー・ケース著, 高崎拓哉訳, mui Lab 監修

Part.3 技術革命と民主化によって誰もが簡単に音楽を作れるようになった! #

Rosenberg, Nathan. 1994. Exploring the Black Box: Technology, Economics, and History. Cambridge: Cambridge University Press.

ノイズ 音楽/貨幣/雑音(2012), ジャック・アタリ著, 金塚貞文訳, 陣野俊史解説, みすず書房, 978-4-622-08351-1

YAMAHA VL1 パーフェクトガイド(VL1 取扱説明書4)

象徴交換と死(1992), ジャン・ボードリヤール著, 今村 仁司,塚原 史 訳, ちくま学芸文庫

インビジブルコンピュータ―PCから情報アプライアンスへ(2009) - ドナルド・A・ノーマン著,  岡本明,  安村 通晃, 伊賀 聡一郎 訳, 新曜社

What I learned about innovation from founding the MIT Media Lab | Barry Vercoe | TEDxChristchurch

その他参考文献 #

科学技術社会学(STS)テクノサイエンス時代を航行するために(2021), 日比野愛子, 鈴木舞,福島真人 編, 新曜社, 9784788517325

↑私はエジャートンの"使用の歴史"やインフラ研究についてはこの本で知りました。技術決定論に対する批判の歴史的文脈などをつかむにはおすすめの入門書です。

スペクテイター 48号 パソコンとヒッピー(2021), エディトリアル・デパートメント, 978-4-344-95418-0

↑若干歴史を単純化しすぎてないかな?と思う部分はあれど、パーソナルコンピューターの誕生とLSDやホールアースカタログなどネオヒッピー思想の繋がりを漫画も含めわかりやすく解説してくれてます。

ブルーノ・ラトゥールの取説(2022) 久保明教, 月曜社, 978-4-86503-079-2

↑何度か「歴史の中で非人間、非生物が主語になるのはOKなのか」というのは実はラトゥールのアクターネットワーク論のことを念頭においてます。ただしANTは言葉が一人歩きしがちなのであえて言葉を使いませんでした。

Rodgers, Tara. 2010. Pink Noises: Women on Electronic Music and Sound. Duke University Press.

Magnusson, Thor. 2019. Sonic Writing - Technologies of Material, Symbolic, and Signal Inscriptions. Blomsbury Academic. 9781501313868

Hagood, Mack. 2019. Hush: Media and Sonic Self-Control. Sign, Storage, Transmission. Durham, NC: Duke University Press.